研究成果報告

令和7年度 杉並区教育委員会研究指定校 杉並区立済美養護学校 研究成果報告

 現行の学習指導要領では、児童・生徒が学習内容を深く理解し、資質・能力を身に付け、生涯にわたって能動的に学び続けるようになるために、「主体的・対話的で深い学び」の視点に立った授業改善を行い、学校教育における質の高い学びを実現することを謳っています。これは、すべての学校において実現する必要があります。身につけてきた知識・技能が断片的になり、実生活の中でその知識・技能を十分に発揮することが難しい本校に通う児童・生徒にとっても、叶えるべき内容となります。 そこで、自らの考えや気持ちをうまく表現できない本校の児童・生徒が、教育活動に臨む中で見せている主体的な行動を、私たち教員が的確に受け止めることができれば、より主体的に活動に励むことができる授業を提供できるのではないか?という視点で、令和5年度から3年間、研究を行ってまいりました。そして、簡単ではございますが、その成果を記したリーフレットを作成しました。70人近くの教員を、7~8人のグループに分け、各グループの研究サブテーマを決め、メインテーマを叶える研究スタイルを取りました。この研究スタイルにより、在籍するすべての教員の協働により、研究が進みました。この研究の成果は特別支援教育に限らず、すべての学校の授業改善につながると自負しております。次期学習指導要領でもキーワードとなるであろう、児童・生徒の主体的な学びを実現するための授業改善にお役立ていただけますと幸いに存じます。

杉並区立済美養護学校長 伴 比佐志



 「スポットライトが当たりにくい子(※)に対するアプローチを踏まえた教師の変容」
  (※ ①意志の表出が乏しい、②教師の期待から外れる等)

(1)  「やる気の読み取り分類評価シート」を作成し、実態把握や授業改善に活用しました。

(2) 教師の焦り・不安・葛藤等に着目し、自身の捉え方や考え方の変容をまとめました。


 「主体的な姿を引き出す授業作りシート」の開発~児童・生徒の特性タイプに注目して~」

主体的な姿を引き出すことが難しいと感じる児童・生徒に注目し5つのタイプに分類しました。

①教材・教具②教師の対応③環境の3つ視点から、それぞれのタイプに適した支援のアイデアを整理した、授業改善に役立つ実践的なシートを作成しました。


「目指す児童・生徒の主体性」を実現させるための授業の実践及び研究」

①該当児童・生徒の主体性を引き出すには、具体的にその児童・生徒の主体性を示す様子が評価につながると考えました。

②①を引き出すために、授業で工夫して行ったことを検証しました。


「“なぜこの支援か?”から見える主体性~自立活動の視点で授業を再構築する~」

① 研究授業の後、スプレッドシートの活用でキーワードをまとめ、グラフ等で可視化しました。

② 子供の活動と教師の支援、手立てを、自立活動6区分27項目との整合性で検証しました。


「子どもたちが楽しいと感じる授業づくり~PDCAサイクル表を通して」

①児童・生徒が「やってみたい」「できた」「わかった」と思えるような手立てや支援を考えました。

②PDCAサイクル表を活用し、日々の授業で自分の授業改善を行うことを検証しました。


「児童・生徒が“やってみたい”“たのしい”“おもしろい”と思える環境づくり」

昨年度までの成果、「教材・教具」「環境整備」「人との関わり」の3つの観点に加え、観察シートを活用し、知的特別支援学校における主体性を導くための、自立活動の区分を明らかにしました。


「考えよう、子供の主体性を引き出す授業~チェックシートの活用」

(1)昨年度の成果(主体性を引き出す3つのポイント)を、チェックシートを活用して客観的に検証しました。

(2)検証する中で見えてきた、授業改善における気付き・手立ての新たな視点をまとめました。